

長らく業務用製品として、金物屋を介して建具展や家具店に販売していた「すべるD」。時代の流れによって売上が低迷してしまった時期を経験している。数々の商品を開発しているオカノは、取引先や従業員、製品開発に携わった人々とのつながりが生んだ「結晶」を、このまま廃盤にしたくはないと考えていた。「どうにか廃盤にせず売り続けることができないか」と社内で頭を悩ませていた矢先、営業部から「生協」でのチラシ掲載の報告が舞い込む。これを契機に、「すべるD」を一般家庭向けにも販売することを決めた。結果、想像以上の反響と売れ行きがあり、すぐに欠品状態に陥るほどに。「すべるD(すべるでー)」という関西弁にかけたネーミングも一般消費者の心をつかみ、販売数はV字回復を遂げた。販路を拡大することで、今まで以上に多くの顧客の役に立つことができることを実感する機会となったエピソード。